虫歯治療
できるだけ「歯を削らない」「神経を取らない」「歯を抜かない」
前田歯科医院式MI治療(Minimal Intervention)の実践
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MI治療(Minimal Intervention)とは
MI治療とは、「ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)」の略で、歯の治療において、歯質や歯髄への犠牲を最小限に抑え、本当に歯の悪くなった部分だけを削り取り、修復する治療法のことです。
つまり、歯を削る量を可能な限り少なくし、今ある歯を大切にし、保存するという考え方です。
ドックスベストセメント(Doc's Best Cement)
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ドックスベストセメントとは
前田歯科医院では、ドックスベストセメントを使った、保険外のむし歯治療も取り入れています。
一般的なむし歯の治療では、むし歯の部分やむし歯菌に感染した部分を全て削り取り、削り取った部分に詰め物やかぶせ物をする必要がありました。このドックスベストセメントは、一般的なむし歯の治療とは異なり、むし歯となった悪い部分だけを除去し、歯を大きく削ることなく治療できるという大きなメリットがあります。
さらに、むし歯菌の感染によりドックスベストセメントを詰めた部分は、ドックスベストセメントに含まれたミネラルと銅イオンの殺菌力により、無菌化され、再石灰化(再生)するため、歯の神経を抜かずに済むだけでなく、歯の寿命を長持ちさせることが可能となります。
ドックスベストセメント(Doc’s Best Cement)とは、アメリカ合衆国のテキサス州ヒューストンに本社を置いている、Cooley&Cooley社から発売されている歯科医療のむし歯治療で用いられる薬剤であり、治療法です。
ドックスベストセメントは、アメリカ最大の歯科関連団体ADA(アメリカ歯科医師会)にて安全な薬剤として許可を受け、アメリカ国内では一般的に用いられている製品です。日本ではまだ認可を受けていないため、保険外での治療となります。 -
ドックスベストセメントの特徴
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痛みが少ない
一般的な保険のむし歯治療とは異なり、ドックスベストセメントによる治療は、歯を大きく削る必要がありませんので、治療時にほとんど痛みを感じることがなく、麻酔も必要ない場合がほとんどです。
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歯の神経を抜かない可能性が高い
ドックスベストセメントは、むし歯菌に侵食された部分だけを殺菌するため、神経を残せる可能性が高まります。
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歯を再生させる可能性が高い
ドックスベストセメントに含まれているミネラルや銅イオンの殺菌力により歯の内部を殺菌し、象牙質の再石灰化を促進します。
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副作用の心配が少ない
ドックスベストセメントは、銅やリン酸、亜鉛などの天然ミネラル成分で出来ており、副作用の心配が少ないと言われています。妊娠されている方やお子様にも安心してご使用できます。
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治療回数が少ない
一般的なむし歯の治療では、どうしても治療による来院回数が増えてしまうため、患者様の時間的な負担も大きくなることがほとんどでしたが、ドックスベストセメントを使った治療では、来院回数が1、2回で済むことがほとんどです。
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重度のむし歯には使用できない
むし歯には軽度のものから重度のものまで幅広い状態があり、C0~C4といった表記で表すことが出来ます。ドックスベストセメントは、中度のむし歯治療に適しています。
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保険適用外のため自費治療になる
残念ながら、ドックスベストセメントは、日本の医療保険制度では認可されていないため、虫歯治療と歯の詰め物やかぶせ物が保険外治療となります。
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3Mix法
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3Mix法とは
前田歯科医院では、3Mix法を使った保険外のむし歯治療も取り入れています。この3Mix法はドックスベストセメントと同様に、一般的なむし歯の治療とは異なり、むし歯となった悪い部分だけを除去し、歯を大きく削ることなく治療できるという大きなメリットがあります。
「3Mix」という3種類の抗生物質(メトロニダゾール、シプロキサシン、ミノマイシン)を混ぜたものにより、病巣を無菌化するという新潟大学の研究に基づいた治療法です。むし歯を残したまま無菌化するため、神経を抜かず、残す可能性が高まり、歯の寿命を延ばすことができます。
3Mix法とは、新潟大学の岩久正明名誉教授のグループによる、むし歯の細菌を薬で殺菌する研究により開発された薬剤であり、治療法です。むし歯の治療だけでなく、歯の根の治療、歯周病治療にも使用されています。
3Mix法で使用する3つの薬剤は、それぞれ厚生労働省から認可を受けていますが、3Mixそのものは認可が下りていません。ですので、保険適用外の治療法となっておりますが、ほとんどの歯科医院では、3Mixにかかる薬代を患者様に請求していません。
ただし、詰め物やかぶせ物などの費用は別途必要となります。 -
3Mix法の特徴
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痛みが少ない
一般的な保険のむし歯治療とは異なり、3Mix法による治療は、歯を大きく削る必要がありませんので、治療時にほとんど痛みを感じることがなく、麻酔も必要ない場合がほとんどです。
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歯の神経を抜かない可能性が高い
3Mix法はむし歯菌に侵食された部分だけを殺菌するため、神経を残せる可能性が高まります。
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歯を再生させる可能性が高い
3Mix法はむし歯菌に侵食された部分だけを殺菌するため、神経を残せる可能性が高まります。
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治療回数が少ない
一般的なむし歯の治療では、どうしても治療による来院回数が増えてしまうため、患者様の時間的な負担も大きくなることがほとんどでしたが、3Mix法を使った治療では、来院回数が1、2回で済むことがほとんどです。
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重度のむし歯には使用できない
むし歯には軽度のものから重度のものまで幅広い状態があり、C0~C4といった表記で表すことが出来ます。3Mix法は、中度のむし歯治療に適しています。
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カリソルブ
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カリソルブとは
前田歯科医院では、カリソルブを使った、保険外のむし歯治療も取り入れています。カリソルブは、ドックスベストセメントや3Mix法と同様に、一般的なむし歯の治療とは異なり、むし歯となった悪い部分だけを除去し、歯を大きく削ることなく治療できるという大きなメリットがあります。
カリソルブ溶液(次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸)が主成分となる薬剤をむし歯となった部分に塗布することで、むし歯の部分が溶け出し、その溶けて軟化した部分を専用器具で取り除く治療法です。むし歯となった部分だけを科学的に溶かして除去するため、歯質の健康を守り、歯を傷つけることがほとんど ありません。麻酔を必要としないため、お子様や高齢の方、歯科恐怖症(痛がり・怖がり)の方、麻酔を禁止されている方にもおすすめの治療です。
カリソルブとは、歯科医療先進国であるスウェーデンの歯科大学や工科大学、そして複数の研究機関とメディチーム・デンタル社によって研究、開発されました。1998年にスウェーデンを中心に認可され、現在では世界47カ国で導入されています。
日本では2007年に厚生労働省に認可された治療法です。しかし、薬事法で認可されていないため、保険外治療となります。 -
カリソルブの特徴
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痛みが少ない
一般的な保険のむし歯治療とは異なり、カリソルブによる治療は、歯を大きく削る必要がありませんので、治療時にほとんど痛みを感じることがなく、麻酔も必要ない場合がほとんどです。
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歯の神経を抜かない可能性が高い
カリソルブは、むし歯菌に侵食された部分だけを溶かし、除去するため、神経を残せる可能性が高まります。
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歯を再生させる可能性が高い
カリソルブ溶液に含まれている次亜塩素酸ナトリウムやアミノ酸の殺菌力により、歯の内部を殺菌し、象牙質の再石灰化を促進します。
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副作用の心配が少ない
カリソルブ溶液は、次亜塩素酸ナトリウムや3種類のアミノ酸の成分で出来ており、副作用の心配が少ないと言われています。
妊娠されている方やお子様にも安心してご使用できます -
治療回数が少ない
一般的なむし歯の治療では、どうしても治療による来院回数が増えてしまうため、患者様の時間的な負担も大きくなることがほとんどでしたが、カリソルブを使った治療では来院回数が1、2回で済むことがほとんどです。
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重度のむし歯には使用できない
むし歯には軽度のものから重度のものまで幅広い状態があり、C0~C4といった表記で表すことが出来ます。カリソルブは、軽度~中度のむし歯治療に適しています。
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保険適用外のため自費治療になる
残念ながら、カリソルブは日本の薬事法では認可されていないため、歯の詰め物やかぶせ物も保険外治療治療となります。
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むし歯の原因
むし歯はどうやって防ぐの?
むし歯は、歯質、細菌、食べ物の3つの要素に原因があると言われています。菌の塊である歯垢(プラーク)に含まれる、むし歯の原因となる細菌(ミュータンス菌)が糖分やタンパク質を分解します。
それによって排出される酸などが、歯のエナメル質やカルシウム、リンなどの成分を溶かしてむし歯を作るのです。
歯みがきをそんなにしていなくてもむし歯がない方や普段から甘いものをたくさん食べているけどむし歯がない方もいますが、それらの人は、元々の持っている細菌の量が少なかったり、溶け出したカルシウムやリンなどの成分を元に戻してくれる働きを持つ「だ液」の力が強い人です。
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歯質
歯質はひとりひとり異なり、むし歯になりやすいかどうかを左右します。歯の再石灰化を促進するフッ化物を利用したり、だ液の分泌を促進するためによく噛んだりすることで、歯質を強化することができます。
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糖分
間食が増えると口の中が酸性になり、むし歯になりやすい状態が続きます。だらだら食いを控えたり、砂糖の少ないおやつを選んだり、バランスのとれた食生活を送ることを心がけましょう。
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細菌
むし歯の原因になる細菌の活動を抑える働きを持つキシリトールやフッ化物を活用したり、歯科医院でのメインテナンスで菌の塊である歯垢(プラーク)を除去しましょう。
むし歯の進行
むし歯の進行は、気づかない間に取り返しのつかないところまで進行しているかもしれません。
定期的に歯科医院へメインテナンスに行き、早期発見し早めに治療することが重要です。
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表面白っぽく、
脱灰した初期虫歯この段階では削らずに、フッ素やシーラントで様子をみます。
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エナメル質の部分が
むし歯になっているむし歯だけを取り、コンポジットレジンで治療します。
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むし歯が象牙質に
達しているコンポジレットレジンやインレーで治療します。
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むし歯が歯髄に
達しているむし歯を取り除き、歯髄(神経)を取る根管治療が必要となります。
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根っこを残して
歯が溶けているほとんどの場合、抜歯となります。
痛みがなくなったからといって放置していると、根の先に細菌と膿がたまって炎症が起き、硬いものを噛んだりすると痛みや違和感を感じるようになります。まれではありますが、そこから全身に細菌が侵入し、2次疾患につながる危険性もあります。
まずは予防、なってしまったら早期に発見・治療を行いましょう。
根の治療
歯の根の治療
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マイクロスコープを使用した根管治療(根の治療・神経の治療)
むし歯が進行し、それらが歯の神経(歯髄)まで達してしまった場合、むし歯菌が感染した神経を取り除き、根管(歯の根の部分・神経部分)を綺麗に洗浄してからかぶせ物をする治療を行います。根管は非常に複雑な構造になっており、正しい知識と技術が必要となります。
正しい知識と技術を以って洗浄に取り組まないと、「痛み」や「腫れ」などの原因となり、「根尖病巣」という病気にもつながります。右の図の黒くなっている部分が神経の入っている管であり、このすべてを綺麗に洗浄する必要があります。
一般的な根の治療を行う際は、肉眼でこの治療を行っていましたが、根の治療は、より精密で正確な作業を必要とするため、前田歯科医院では、歯科顕微鏡(マイクロスコープ)を利用し、しっかり目で確認しながらの治療が可能になります。
マイクロスコープは、全国的にもまだまだ導入している歯科医院は少なく、治療部位を拡大する顕微鏡で、根管治療においては、しっかりと治療部位を確認し、成功率を上げるためには絶対に欠かすことができない機材になります。
当院ではマイクロスコープを導入により、「抜歯」という最悪のシナリオを回避する確率が飛躍的に高まりました。根管治療においては肉眼よりも精密に「見えるか」「見えないか」が、治療を成功させるためには重要なポイントになります。
歯科用CTを使用した根管治療(根の治療・神経の治療)
歯科用CT(三次元)を利用することで、デジタルレントゲン(二次元)では見えない部分まで精密に見て、確認することができます。
レントゲンでも根尖病巣が有るか無いかは判断が可能ですが、CTを利用することでレントゲンでは見えない部分も確認することができ、より一層精密な診査・診断、そして治療が可能になります。
ラバーダムを使用した根管治療(根の治療・神経の治療)
ラバーダムとは、治療する歯以外を薄いゴム製のシートで覆い、お口の中の唾液や細菌による治療部位への感染を防止する道具です。ラバーダムを使用することで、様々な細菌が根の部分に侵入するのを防ぎ、無菌的な処置を行うことが可能になります。
逆を言えば、ラバーダムを使用せずに行う根管治療は細菌感染の可能性が高まり、再治療の原因ともなります。根管治療でラバーダムを使用することは、医療先進国の欧米では必須の処置となりますが、日本で使用している歯科医院はまだまだ少なく、当院での根管治療にはラバーダムの使用が欠かせないものとなっております。
再感染のリスクを抑える根の充填
神経の管の中にある細菌を除去した後は、根管の先に薬を充填していきます。
充填の際にも、しっかりと衛生面に配慮しながら最新の機器と技術を使い、再感染などのリスクを回避しながら治療を行います。