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Oral Medicine
口腔内科

口腔内の粘膜は、「口内炎」から「癌」まで、多種多様な病気ができます。
口内炎がなかなか治らないという話を良く耳にしますが、単なる口内炎だと思っていたものが他の病気の可能性もありますので、専門医への受診をお勧めします。

口腔粘膜

口腔粘膜の病気の種類

口腔粘膜の病気の種類には、以下のような様々な疾患があります。

  • 白板症
  • 再発性アフタ
  • 帯状疱疹
  • 紅板症
  • 扁平苔癬
  • 手足口病
  • 口腔カンジダ症
  • ヘルペス性口内炎
  • ヘルパンギーナ

口腔粘膜の病気の原因

口腔内に病変を発見しても、以下のような病変の原因などがあり、「重篤な全身疾患の初期症状」である場合や、「癌」などの場合もあるため、できるだけ早期に、専門医によるしっかりとした検査、診断が必要になります。

  • 口腔内だけの場合
  • 全身性疾患の一つの症状として現れる場合
  • 皮膚の疾患と関連のある場合
  • 先天性形態異常で生理的障害を示さないもの

口腔粘膜の病気の治療

確実な診断を得るために、症状に応じた検査をして、その結果により、それぞれの病気に対する治療を行います。

ドライマウス

主な症状はお口の乾燥感やつばのネバネバ感などです。症状が進むと舌の痛みや味覚障害などが起こることもあります。
原因と様々ですが加齢、ストレス、内科的疾患(糖尿病やシューグレン症候群など)不規則な生活習慣、薬の副作用(睡眠薬・抗うつ剤・かぜ薬・抗高血圧薬など)です。
だ液が少ないと口臭やむし歯、歯周病になりやすくなります。 (診査・診断・治療法については担当医にご相談ください。)

味覚障害

味覚障害も原因がはっきりしていませんが少しずつ患者さんが増加しています。 しかし、現在考えられているのは、
①味細胞から中枢側への味情報の伝達段階
② 味蕾の味細胞段階
③味細胞から中枢側への味情報の伝達段階
上記の3段階の異常からなりますが、頻度的には①と②がほとんどです。 ①ではドライマウス、②カンジタ症や鉄、亜鉛欠乏に由来するものです。味覚異常は食べる楽しみと直接関わり、QOLを低下させる重大な病気です。
詳しくは担当医に御相談ください。

舌痛症

舌に炎症や潰瘍などの明らかな病変がなく、舌の色も機能も正常なのに、舌に原因不明のヒリヒリ感、ピリピリ感、灼熱感などの痛みがでる病気です。
中高年の女性に多く、食事中や何かに熱中している時は、特に痛みを感じないことが多いという特徴があります。

舌痛症の検査

カンジダ

細菌の培養検査

微量金属や
ビタミンの不⾜

血液検査


舌痛症の治療

カンジダ菌が
検出された

抗真菌剤の投与

微量金属や
ビタミンの不足

その物質を補充

心因性

抗うつ剤の投与

口腔カンジダ

口腔カンジダ症の原因となっているカンジダ菌は、単独では非常に力が弱く、健康な人であれば、持っている免疫力でカンジダ菌の増殖が抑えられるため、発症はしません。
しかし、口腔内の乾燥、衰弱などによる免疫力の低下、抗生物質やステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤の使用の増加や高齢化などにより発症します。また、近年では、発症者も増加傾向にあります。

口腔カンジダの症状と原因

  • 抗生物質を長期にわたって内服している
  • 高齢になって身体が弱っている。
  • あごを動かすと音がする(関節雑音)
  • 入れ歯を使用していて口腔内のケアがおざなりになっている。
  • 唾液の量が少なく、口腔内が乾く。

このようなことが原因となり、口腔カンジダは発症しやすくなります。
そして以下のようなの症状は「口腔カンジダ」の疑いがあります。

  • 口の中や下に白いものが発生している
  • 舌がヒリヒリする
  • 舌が赤く腫れている
  • 味覚がおかしい
  • 口の中がしみる
  • 口の中が乾きやすい
  • 入れ歯の装着部が痛い
  • 唇の皮が剥けやすい
  • 口角が切れて痛む
  • 口の中が赤くただれている

口臭

社会構造の変化と共に、口臭を訴える患者さんが増えているのは事実です。
多くの場合は問題にならないことが多いのですが、その裏に原因となる大きな病気が存在することも希にあります。専門医への受診をお勧めします。

口臭の症状と原因

・歯周病
病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。
・むし歯
むし歯は独特の臭いを持っています。食べかすや、むし歯の菌が、むし歯の穴の中にたまり、口臭の原因になります。
むし歯が進行してくると強烈な臭いがします。
・歯垢
歯垢は、そのほとんどが細菌のかたまりです。長期間が経過すると歯石を作っていきます。
・歯石
歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。
・舌苔
体調が良くない時などに、舌の表面に白いものが付着することがあります。
これは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、歯垢と同じような細菌の固まりです。
・唾液の減少
唾液は、口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあり、口臭予防に大切なものです。
唾液の分泌が少なくなると、むし歯や歯槽膿漏になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりします。
・プラスチックの人口歯
義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着し、一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。
・かぶせた金属の腐食など
歯科用金属(かぶせもの、詰めもの)が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れがたまり易くなり、口臭の原因になっている場合が多いです。
・口腔癌
口の中の癌により口臭が発生することがあります。
・鼻やのどの病気
鼻は口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。
・その他呼吸器系の病気、消化器系の病気
全身症状が原因となって口臭が発生している場合、原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。

神経性疾患

顔面神経麻痺は、俗に顔面神経痛と呼ばれるものです。顔面神経が片側麻痺することで、顔が左右非対称になります。
また、顔面部が突然激痛に襲われるという、三叉神経痛があります。いずれも専門医での受診が必要となります。

神経性疾患の症状と原因

・顔面神経麻痺
額のしわが消え、しわを寄せようとしてもできない、瞼を閉じようとすると白目の部分が見える、上瞼がたれる、口角が垂れる、口笛が吹けない、よだれが垂れるなどの症状が現れます。寒冷刺激、局所の循環障害、ウイルスの関与などが原因となります。また外傷や、中耳炎・顎関節の炎症・耳下腺などの炎症や、悪性腫瘍によっておこる場合もあります。最も頻度の高いものは「ベル麻痺」で、1型単純ヘルペスウイルス感染の関与が示唆されています。
・三叉神経痛
顔面や口腔の左右どちらかに痛みが現れ、三叉神経の三つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)のどれが関与しているかによって痛む部分が異なります。「真性三叉神経痛」は、頭蓋内で三又神経が血管に圧迫されておこると考えられています。また、脳腫瘍が三叉神経を圧迫したり、癒着することによってもおこることがあります。一方、「症候性三又神経痛」は、歯や副鼻腔の炎症性病変が原因となります。
真性三叉神経痛では、突然電撃様の激しい痛みがみられるのが特徴で、痛みは短時間でおさまりますが、繰り返しておこります。帯状疱疹後の三叉神経痛では、顔に帯状疱疹が発症したことがある方は、後々になって、特発性三叉神経痛と同じような痛みが出てくることがあります。帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスの親戚である帯状疱疹ウイルスによって起きる皮膚病です。水ぼうそうのような小さな水ぶくれがたくさんできた後、かさぶたになります。帯状疱疹のウイルスは、普段は神経にひそんでいて、あるとき神経に沿ってあばれだします。

その他に以下のことがあります。

  • 副鼻腔炎という蓄膿のような病気からも顔の痛みが引き起こされます。
  • 群発頭痛という病気でも、眼の周りや奥に激しい痛みが起きます。
  • 舌咽神経痛は、三叉神経痛と同じような痛みがの喉の奥に起こります。耳の穴の奥の方や首の前面に痛みが走 るように出る場合もあります。

神経性疾患の治療

・顔面神経麻痺
  • 星状神経節ロック
  • 顔⾯神経開放術
  • ビタミン剤、循環改善剤、副腎皮質ステロイド薬、抗ウイルス薬の投与
  • 低周波などの理学療法
  • 神経吻合あるいは移植術
・三叉神経痛
真性三叉神経痛では、抗けいれん薬のカルバマゼピン( テグレトール)が特効薬として知られています。
また、頭蓋内における三叉神経の減圧手術(ジャネッタ手術)が脳神経外科において行なわれています。
症候性三叉神経痛では、検査後、原因疾患の治療を行います。

金属アレルギー

金属アレルギーも最近増加傾向にあります。
原因として、自己免疫に由来することが近年考えられていますが、それに加えて歯科治療の際の金属の使用ではないかと考えられています。
金属アレルギーは適切な診査(バッチテスト)や診断により治療することができます。原因となる金属を取り除いてメタルフリーの材料を使うことによって大半の患者様が治癒します。
それでも治らない方には、ビタミン点滴キレーション療法を行います。
(詳しくは担当医に御相談ください)